はじめに
留学は多くの大学生が経験しています。
しかし、タイミングは難しいところで、3年で行くのは遅いかもしれないとよく悩まれています。
大学3年での留学は、かつては遅いといわれたものの、現在は状況が変わって挑戦しやすくなっているのです。
悔いのない学生生活を送るために必要な情報でもあるので、こちらでご紹介するポイントをぜひ確認してみてください。
【大学3年で留学】大学3年生で留学は遅くない
先述のとおり、大学3年での留学は現在では遅いといえません。
就職活動や、卒業後のことが視野に入り始める3年に入ってから海外へと飛び立つ大学生も、実際にいます。
その理由は、以下にご紹介するような、以前にはなかった状況が関係しています。
情報収集が手軽になった
現在はインターネットがすっかり普及し、あらゆる情報をオンラインで取得できることはご存じでしょう。
就職活動に関する情報も例外ではなく、現在はインターネットやSNSを通じて多くの企業がアナウンスをしています。
そのおかげで学生の所在地による差がなくなっており、たとえば地方にいる学生も、東京にある企業の情報をすぐに入手できるのです。
学生が海外にいるときでも同じことで、多くの国内企業に関する情報を、国内にいる学生と同じように簡単に取得できます。
現地でインターネットさえ使えるなら、就職に関する情報収集では後れを取りにくいです。
説明会・面接のオンライン化
近年のコロナ禍による影響で、説明会や面接をオンラインで行う企業が増えています。
これもまた3年になって留学する学生にとって有利なポイントです。
海外での勉学や生活を続けつつ、就職活動もある程度は本格的に進められます。
対面で実施されることの多い最終面接の手前まで進めておけば、帰国後にはすぐに内定を得られることでしょう。
エージェントが充実
学生の就職活動を支援する就職エージェントのサービス内容が、以前よりも充実しています。
実際に利用してみると、悩みを相談できたり有効なアドバイスを受けられたりします。
海外生活中には本来得られにくい、国内での就職活動向けのサポートや励ましを留学先でもしっかりと受けられるのです。
したがって、国内企業からの内定取得に向けた本格的な活動を現地で進められるのです。
【大学3年で留学】留学制度
一口に留学と言っても形はさまざまであり、どの方法を選ぶかで特徴も異なります。
大学3年は1~2年のころとは違い、学生生活の終わりが見え始める時期です。
貴重な残り時間を使う留学に満足できるよう、下記にご紹介する各種の留学制度をよく理解しておくことが大事です。
大学のプログラム
留学といえば、現在通っている大学とは関係なく、あくまで個人的に行くイメージが強いかもしれません。
実は大学の公的なプログラムを利用しても海外に行けるのです。
行き先は自由に選べず、現在通っている大学が指定する学校に限られるものの、現地にある膨大な大学のなかで最適な場を自身で選ぶ手間を省けるともいえます。
また、大学のプログラムを利用して留学すると、現地での成績が反映され、所属している日本の大学で単位が認定されやすいこともメリットです。
この方法での留学には、交換留学と認定留学の2種類へとさらに分けられます。
交換留学
交換留学とは、行き先である海外の大学に所属する学生と入れ替わるような形で留学する制度です。
つまり指定された海外の大学へ自分が行く代わりに、自分が現在通っている日本の大学にも、相手の学校からの留学生が来るのです。
一般的に募集の枠が限られやすく、要件も厳しい傾向があります。
認定留学
認定留学は交換留学とは違い、現在所属している大学が協定を結んでいない学校も行き先に選べます。
あくまで大学側が認めている行き先なら選べるので、学校・地域・専攻などについて、ある程度は希望できるのです。
ただ、認められている海外校は一般的にあまり多くありません。
やはり行き先は限られやすいといった特徴もあります。
留学エージェント
留学エージェントとは、留学したい学生と現地の学校や地域をつないでいる民間企業です。
就職エージェントの留学版ともいえるでしょう。
留学の流れや必要な手続きや準備などはもちろんのこと、現地での生活上のサポートもしています。
日本人向けの留学エージェントはもちろん日本語で利用できます。
誰でも活用しやすいうえ、コミュニケーションで行き違いも生じにくいです。
その反面、留学エージェントの利用はあくまで自費であり、費用も高めの傾向にあるので、資金上の余裕がやや求められます。
留学の奨学金制度
日本の大学に通うときにも、学費や生活費などさまざまな費用がかかります。
文化も法律も違う海外で大学に通うときはなおさらです。
資金をどう工面するかは大きな問題でしょう。
これを解決できるのが、奨学金制度を利用した留学です。
「トビタテ!留学JAPAN」などのように、官民協働で提供する海外留学奨学金制度があります。
利用できれば資金が補助されるので、自己資金が足りなくとも海外の大学で学べます。
ただ、給付型と貸付型の2種類があり、後者では資金を将来返済しなければなりません。
やはり給付型のほうが人気であり、倍率も高まりやすいです。
【大学3年で留学】大学3年はいいチャンス
大学3年での留学を考えるうち、「2年のうちに留学しておけばよかった」、「4年になってから休学して行ったほうがよいのでは」といった考えが浮かんでいる方もいることでしょう。
実際には、大学3年は留学にもよい時期です。
後悔や迷いが出てきている方にぜひ知ってもらいたいポイントをここでご紹介します。
自分の頭で考えるようになる
大学3年の時期は就職活動に費やすのが一般的であり、留学する方はやはり減る傾向にあるのです。
海外に行くべき時期は本当に今なのかといった不安も多々生じることでしょう。
しかし、それゆえに留学がよりよい経験になります。
周囲が就職活動を始めるなか、自分の頭で考え、周囲に流されずにしたいことをするといった大きな経験を得られるからです。
一般的な流れや周囲の意見に安易に流されず、自分の頭で考えて答えを出していく姿勢は、今後の人生でしっかり役立つことでしょう。
自分のキャリアを考えるきっかけになる
大学生活も後半に入ると、自分のキャリアをいよいよ本格的に考える必要があります。
どこに行って何をしたいのか、どのような仕事なら能力を発揮できるのか、判断するには社会経験が必要です。
これまでまったく興味がなかったことも、あることをきっかけに強い関心をもち、以降の人生が変わることもありえます。
海外は日本国内とはまったく違う世界であり、さまざまな刺激を受けられます。
それが就職活動を始める前の3年生の段階なら、自分のキャリアをあらためて考えるよいきっかけになり、今後の進路における選択肢を増やせるのです。
帰ってきたら就活モードに切り替えられる
渡航から数か月程度で戻ってくれば、同級生たちは就職活動の最中であり、説明会や面接、先輩の訪問などにはげんでいるはずです。
そのような環境に身を置けば、自分自身もすぐに就活モードに頭が切り替わります。
目星をつけていた企業へのアプローチや、オンラインで進めていた面接の続きなどへとすぐに臨めることでしょう。
これは、多くの同級生が就職活動にはげむ3年生で留学したときならではの利点です。
留学を終えて帰国したのち、燃え尽きたかのようにだらけてしまうおそれがなく、学生としての残り時間を有効活用できるのでしょう。
【大学3年で留学】期間は?
留学期間は人によってさまざまです。
数年にわたって滞在する方もいれば、少し長めの旅行程度の期間で終了する方もいます。
留学先で学べることや必要な準備などもそれぞれで異なってくるため、現地にどれほど滞在するかで悩む方は多いです。
具体的にどれほど滞在するものか、人気の高い期間に分けてそれぞれご紹介します。
2週間〜3ヶ月
留学といっても、2週間~3ヶ月程度で終了とする方もよくいます。
少し長めの旅行感覚でできる留学であり、学生にとっても負担は軽いです。
夏休みなどの長期休暇中に実行できるので、日常生活へあまり影響しません。
もちろん就職活動への影響も小さく、同級生たちと同じように活動しつつ、留学経験も得られるのです。
半年
半年はやや長めの滞在期間です。
短期の留学よりも多くのことを学べる反面、就職活動を含めた日常生活への影響もやや大きいでしょう。
休学せずに留学することも可能ですが、短期留学よりは厳しいスケジュールを強いられます。
休学するかどうか悩みやすい留学期間でもあるのです。
また、先述した留学制度のどれを使うかにもよりますが、就職活動も海外で同時進行する必要性が高いです。
そのつもりで、現地での生活や勉強のほか、オンラインでの就職活動の方法もしっかりと確認して臨むとよいでしょう。
1年間
留学期間を1年間とすると、現地でさらに多くのことを学べるほか、ホストファミリーや滞在している学校での友人など、人間関係も作りやすいです。
現地で濃い体験ができる代わりに、学生生活への影響はもはや避けらません。
そのため、現在通っている大学は休学したうえで留学に臨む方がほとんどです。
つまりは4年での卒業は不可能となってしまいます。
しかし、大学3年生としての勉学や活動は帰国後に1からできるので、単位の取得や就職活動を焦る必要もなくなります。
そのおかげで海外生活に集中でき、より濃い体験ができるのです。
【大学3年で留学】休学すると就活で不利?
休学して留学すると、海外での生活や勉学に落ち着いて臨めるものの、就職活動で不利にならないかといった不安があることでしょう。
意味もなく休学すると評価に響く場合はあります。
しかし、しっかりとした目的や意義があれば心配はいりません。
これまでご紹介してきた留学の目的や、将来の進路などをしっかり考えており、面接で説明できれば問題ないので、ぜひ意識してみてください。
あわせて、休学して留学する場合に就職活動で役立つ、下記のようなスキルについてここではご紹介します。
本気度が伝わる
留学のためとはいえ、休学は日常生活への影響も大きく、簡単には選べません。
同級生たちと同じタイミングで卒業できなくなるうえ、大学によっては休学中にも学費がかかる場合もあるなど、経済的な負担もあるからです。
さらに、就職活動で不利にならないかといった先述の不安も多くの学生が抱えるので、安易な休学は一般的に避けられるのです。
それゆえに、休学してまで留学すれば本気度が面接官に伝わります。
その熱意を裏付けるエピソードも、本気で留学したのならいくらでもあるはずなので、明確な目的のある休学だったと問題なく伝わりやすいのです。
語学力が身につく
休学が必要なほど長期にわたって留学すれば、TOEICなどへの取り組みだけでは習得しづらい、英語での実践的なコミュニケーション力も身につきやすいです。
英語は国際語としてさまざまな場面で使われており、ビジネスの現場でもよく求められます。
英語を使う仕事が将来したいなら、留学で身につけた語学力は役立つことでしょう。
【大学3年で留学】留学を考えるときに気をつけたいこと
留学は総じてよい経験になり、人生を豊かにしてくれるものの、気をつけたいことはやはりあります。
十分な準備や意識をしないと、得るものが何もないまま海外生活が終了しかねません。
下記のポイントは留学前にしっかり確認しておきましょう。
留学の目的を明確にする
そこに行って何をするのか、目的意識があいまいではすべきこともぼやけてしまい、現地でも惰性で生活して留学が終わってしまいやすいです。
留学で得たものが何もなくて帰国後に頭を抱えないよう、なぜ留学するのか、目的は事前にしっかりと考えてください。
目的を果たすため、現地で具体的にすべきことも考えておくと安心です。
留学後の進路も考慮する
大学3年になって留学する以上、就職活動をどうするのかは、避けて通れないポイントです。
先述のとおり、インターネットなどを駆使して留学中にも就職活動をする、帰国してから主に活動する、休学して翌年以降に1から行うなど、方法はいくつもあげられます。
どうするのがよさそうか、方針は事前によく考えてください。
また、留学が将来どのようなことに役立つのかも、一度は考えておきたいポイントです。
将来に関わるこのようなことは、留学する期間に関わらず、並行してしっかり考えておきましょう。
単位を確認する
在学期間中の留学や就職活動などをうまく乗り越えられても、単位が足りずに卒業できなければ、それまでの努力や苦労が台無しです。
苦労して獲得した内定が取り消されるおそれもあります。
単位のことは常に意識してください。
特に気をつけたいのは、単位の仕組みです。
卒業に必要な単位は、合計数だけではなく、特定の授業のものを要することが多いです。
合計時の単位数は十分でも、特定の授業の単位が1つでも足りないと卒業できない場合があります。
このような単位の仕組みはよく確認し、卒業に向けて必要な対応を済ませていってください。
まとめ
インターネットが普及し、採用活動にも活用され始めたこともあって、大学3年での留学は以前よりもハードルが下がっています。
大学3年は1~2年のころと比べて何かと忙しく、難しい時期でもありますが、貴重な学生生活の一部なのは間違いありません。
興味のある留学にチャレンジしてみるなど、ぜひ後悔のない選択をしてください。